文学巡礼マップ

作品一覧

124 作品 / 498 巡礼スポット

時代

ジャンル

古事記

古典

太安万侶 / 712

随筆6 スポット

日本最古の歴史書にして神話文学の原点。天孫降臨の高千穂、海幸彦・山幸彦の日向灘など、宮崎の風土が神々の物語の舞台として描かれる。

出雲国風土記

古典

出雲国庁 / 733

随筆6 スポット

奈良時代に編纂された出雲国の地誌。国引き神話をはじめ、出雲の地名の由来や風土、産物を詳細に記した古代文学の貴重な資料。唯一ほぼ完本が残る風土記。

万葉集(越中歌群)

古典

大伴家持 / 759

詩歌6 スポット

大伴家持が越中国守として赴任した富山で詠んだ歌群。立山の雄大な風景や射水川の流れ、越中の四季が万葉の調べで歌い上げられている。

おくのほそ道

古典

松尾芭蕉 / 1694

随筆31 スポット

松尾芭蕉が門人の曾良と東北・北陸を巡った約150日間の旅を綴った紀行文の最高傑作。「夏草や兵どもが夢の跡」など名句が各地の風景とともに生まれた。

土佐日記

古典

紀貫之 / 935

随筆4 スポット

土佐国司の任を終えた紀貫之が土佐から京都へ帰る旅を、女性に仮託して仮名文字で綴った日記文学の嚆矢。土佐の海や港の風景が旅情豊かに描かれる。

源氏物語(須磨・明石)

古典

紫式部 / 1008

小説2 スポット

世界最古の長編小説の須磨・明石の巻。都を離れた光源氏が須磨の浦で侘び住まいし、明石の君と出会う。須磨の月と明石の浜が物語の転換点となる。

方丈記

古典

鴨長明 / 1212

随筆2 スポット

「ゆく河の流れは絶えずして」の冒頭で名高い中世随筆の傑作。鴨長明が日野山の方丈の庵で世の無常を綴った。京都・下鴨から日野への隠遁の道程が描かれる。

小倉百人一首

古典

藤原定家 / 1235

詩歌4 スポット

藤原定家が嵯峨の小倉山荘で選んだ百首の秀歌を集めた歌集。「ちはやぶる神代も聞かず竜田川」など、近江・大和の歌枕が名歌に詠み込まれている。

太平記

古典

作者不詳 / 1370

小説6 スポット

鎌倉幕府滅亡から南北朝の動乱を描いた軍記物語。新田義貞の挙兵地・群馬や楠木正成の千早城など、各地の合戦場が歴史絵巻として描かれる。

葉隠

古典

山本常朝 / 1716

随筆10 スポット

「武士道とは死ぬことと見つけたり」で知られる佐賀藩士の武士道論。山本常朝が田代陣基に口述した内容を筆録したもので、肥前の武士の精神世界を伝える。

雨月物語

古典

上田秋成 / 1776

小説2 スポット

怪異と幻想に満ちた九篇の短編を収めた読本文学の傑作。「蛇性の婬」は紀州・熊野を舞台にした妖しく美しい蛇の化身の物語。

東海道中膝栗毛

古典

十返舎一九 / 1802

小説8 スポット

弥次郎兵衛と喜多八の東海道珍道中を描いた滑稽本の傑作。静岡・愛知をはじめ東海道五十三次の宿場町が笑いとともに描かれる。

南総里見八犬伝

古典

曲亭馬琴 / 1842

小説7 スポット

安房の里見家に仕える八人の犬士たちの壮大な冒険譚。房総半島の山野と城郭を舞台にした全106冊の大長編で、日本文学史上最大の伝奇小説。

舞姫

近代

森鷗外 / 1890

小説3 スポット

明治の留学生・太田豊太郎がベルリンで踊り子エリスと恋に落ちるが、立身出世との間で苦悩する。鷗外自身の体験を基にした自伝的小説。

高瀬舟

近代

森鷗外 / 1916

小説3 スポット

京都の高瀬川を下る罪人護送の舟の上で、弟殺しの罪に問われた男の告白を聞く同心の心の揺れを描いた短編。安楽死と知足の問題を提起した鷗外晩年の傑作。

義血侠血

近代

泉鏡花 / 1894

小説5 スポット

金沢出身の泉鏡花の出世作。滝の白糸と村越欣弥の悲恋を描いた義理人情の物語。のちに「滝の白糸」として舞台化され広く知られる。

高野聖

近代

泉鏡花 / 1900

小説5 スポット

飛騨の山奥で旅僧が妖しい美女に出会う幻想的な物語。天生峠を越える険しい山道と深い森が、鏡花独特の幻想世界の舞台となっている。

たけくらべ

近代

樋口一葉 / 1896

小説3 スポット

吉原遊廓の近くに暮らす少年少女たちの揺れ動く心を描いた名作。下谷龍泉寺町(現・台東区)界隈の明治の下町風情が色濃く残る。

若菜集

近代

島崎藤村 / 1897

詩歌3 スポット

「まだあげ初めし前髪の」で始まる「初恋」など、青春の情熱を謳った近代詩の金字塔。小諸義塾の教師時代に信州の自然に触発されて生まれた抒情詩集。

武蔵野

近代

国木田独歩 / 1898

随筆0 スポット

東京西郊の武蔵野の雑木林と田園風景を美しく描いた随筆。渋谷から府中にかけての武蔵野台地の自然を詩的に捉え、日本の近代散文に新境地を開いた。

荒城の月

近代

土井晩翠 / 1898

詩歌6 スポット

「春高楼の花の宴」で始まる滝廉太郎作曲の名歌の作詞者・土井晩翠の代表作。仙台・青葉城と会津若松・鶴ヶ城の栄枯盛衰を詠み、明治の美意識を伝える。

みだれ髪

近代

与謝野晶子 / 1901

詩歌5 スポット

明治の歌人・与謝野晶子の処女歌集。大胆な恋愛感情を詠んだ情熱的な短歌で文壇に衝撃を与えた。晶子の故郷・堺の町並みがその感性を育んだ。

坊っちゃん

近代

夏目漱石 / 1906

小説6 スポット

東京育ちの直情径行な青年教師が松山の中学校に赴任し、個性的な同僚や生徒たちとの騒動を痛快に描いた名作。道後温泉をはじめ松山の風景が鮮やかに描かれている。

草枕

近代

夏目漱石 / 1906

小説8 スポット

「智に働けば角が立つ」の冒頭で知られる漱石の芸術論的小説。画家の主人公が熊本の小天温泉で非人情の世界を求める旅を描き、阿蘇の風景が美しく綴られる。

破戒

近代

島崎藤村 / 1906

小説4 スポット

被差別部落出身の青年教師・瀬川丑松が出自を隠す「戒め」と告白の苦悩を描いた日本自然主義文学の先駆。飯山の雪深い風景と教育現場が舞台。

野菊の墓

近代

伊藤左千夫 / 1906

小説8 スポット

利根川沿いの農村を舞台に、従姉の民子と政夫の淡い恋と悲しい別れを描いた純愛小説。松戸の矢切の渡しや市川の田園風景が物語の背景となっている。

五足の靴

近代

与謝野鉄幹・北原白秋ほか / 1907

随筆2 スポット

与謝野鉄幹、北原白秋、木下杢太郎、平野万里、吉井勇の五人が九州を旅した紀行文。天草のキリシタン遺跡や不知火海の風景が詩人たちの感性で描かれる。

三四郎

近代

夏目漱石 / 1908

小説3 スポット

九州から上京した青年・小川三四郎が東京帝国大学で学びながら、都会の文化や恋愛に翻弄される青春小説。本郷・根津界隈の明治東京が舞台。

田舎教師

近代

田山花袋 / 1909

小説10 スポット

埼玉県北部の田園地帯で教壇に立つ青年教師の孤独と理想を描いた自然主義文学の代表作。行田・羽生の利根川沿いの風景が、青年の鬱屈と純真を映し出す。

近代

長塚節 / 1910

小説7 スポット

茨城県の農村に暮らす貧しい農民・勘次一家の日常を克明に描いた自然主義文学の傑作。結城郡(現・常総市)の水田と筑波山を望む風景が作品世界を支えている。

一握の砂

近代

石川啄木 / 1910

詩歌3 スポット

「ふるさとの訛なつかし停車場の人ごみの中にそを聴きにゆく」など、望郷と青春の哀歓を三行書きの短歌で詠んだ啄木の代表歌集。故郷・渋民の風景が原点。

こころ

近代

夏目漱石 / 1914

小説3 スポット

「先生」と「私」の交流を通じて人間のエゴイズムと罪の意識を描いた漱石の最高傑作。鎌倉の海岸での出会いから東京での告白まで、明治の終焉が重なる。

羅生門

近代

芥川龍之介 / 1915

小説5 スポット

平安時代末期の荒廃した京都を舞台に、羅生門の下で雨宿りする下人の心理を鮮やかに描いた短編。善悪の境界を問う芥川文学の原点。

城の崎にて

近代

志賀直哉 / 1917

随筆0 スポット

電車事故で負傷した著者が城崎温泉で療養中に、蜂・鼠・蠑螈の死を見つめ生と死の境を思索する短編。城崎の静かな温泉街と自然が作品世界に溶け込んでいる。

友情

近代

武者小路実篤 / 1919

小説0 スポット

二人の青年の友情と恋愛の葛藤を描いた白樺派の代表作。東京・麻布界隈の知識人の暮らしと、調布の実篤邸周辺の武蔵野の風景が背景に広がる。

伊豆の踊子

近代

川端康成 / 1926

小説7 スポット

伊豆を旅する学生が旅芸人の一座と道連れになり、踊子の少女に淡い恋心を抱く。天城峠から下田に至る伊豆の美しい自然が舞台。

河童

近代

芥川龍之介 / 1927

小説2 スポット

精神病院の患者が語る河童の国の風刺的物語。上高地の穂高山麓で河童に出会い、地下世界に迷い込む。芥川が愛した北アルプスの風景が幻想の入口となる。

蟹工船

近代

小林多喜二 / 1929

小説10 スポット

カムチャッカ沖の蟹工船で過酷な労働を強いられる労働者たちの群像を描いたプロレタリア文学の代表作。小林多喜二の故郷・小樽と北海道の厳しい自然が背景にある。

金子みすゞ詩集

近代

金子みすゞ / 1930

詩歌5 スポット

「みんなちがって、みんないい」で知られる夭折の童謡詩人。下関・仙崎の海と自然を背景に、やさしさと哀しみが同居する珠玉の詩を遺した。

銀河鉄道の夜

近代

宮沢賢治 / 1934

小説8 スポット

少年ジョバンニとカムパネルラが銀河を走る列車に乗って旅をする幻想的な物語。賢治の故郷・花巻の自然と宇宙観が融合した不朽の名作。

夜明け前

近代

島崎藤村 / 1935

小説3 スポット

木曾路の宿場町・馬籠の庄屋の生涯を通じて幕末から明治への激動を描いた大河小説。「木曾路はすべて山の中である」の冒頭が名高い。

路傍の石

近代

山本有三 / 1937

小説10 スポット

貧しい家庭に生まれた少年・吾一が逆境に負けず成長していく姿を描いた教養小説。作者の故郷・栃木市の風景が物語の背景となっている。

雪国

近代

川端康成 / 1937

小説10 スポット

「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」の冒頭で知られるノーベル賞作家の代表作。越後湯沢の雪景色と駒子との淡い恋が美しく綴られる。

暗夜行路

近代

志賀直哉 / 1937

小説6 スポット

出生の秘密に苦悩する主人公が自己の内面と向き合い、尾道や大山での生活を通じて心の平安を求める。尾道の坂道と瀬戸内の風景が印象的。

風立ちぬ

近代

堀辰雄 / 1938

小説4 スポット

高原のサナトリウムで病に伏す婚約者に寄り添う青年の愛と死を描いた抒情的小説。「風立ちぬ、いざ生きめやも」の詩句で知られ、軽井沢・富士見高原の風景が美しい。

歌のわかれ

近代

中野重治 / 1939

小説5 スポット

福井出身のプロレタリア作家・中野重治が、青年時代の文学への目覚めと故郷への思いを描いた自伝的小説。雪深い越前の風土と九頭竜川の流れが原風景にある。

富嶽百景

近代

太宰治 / 1939

小説5 スポット

御坂峠の天下茶屋に滞在した太宰治が、富士山と向き合いながら綴った短編。「富士には月見草がよく似合う」の名句で知られる。

走れメロス

近代

太宰治 / 1940

小説3 スポット

友との約束を守るため必死に走り続けるメロスの物語。シラクサが舞台だが、太宰の青春時代を過ごした弘前の風景が投影されている。

山月記

近代

中島敦 / 1942

小説3 スポット

詩人としての才能に傲り人間関係を疎んじた李徴が虎に変身する物語。中国を舞台にしつつ、中島敦ゆかりの横浜・東京が創作の地。

津軽

近代

太宰治 / 1944

小説5 スポット

太宰治が故郷・津軽を旅しながら風土と人情を綴った紀行的小説。金木の生家や五所川原、竜飛岬など津軽半島の風景が生き生きと描かれる。

斜陽

近代

太宰治 / 1947

小説4 スポット

没落貴族の一家を描いた太宰文学の代表作。三鷹・下曽我の風景が作品世界に深く刻まれ、戦後日本の変容を象徴する。

細雪

近代

谷崎潤一郎 / 1948

小説5 スポット

阪神間に暮らす旧家の四姉妹の日常と心模様を繊細に描いた大作。芦屋・神戸の上流階級の暮らしと四季の移ろいが美しい。

人間失格

近代

太宰治 / 1948

小説6 スポット

「恥の多い生涯を送って来ました」の冒頭で知られる太宰の自伝的小説。人間社会に適応できない主人公の苦悩を描いた太宰文学の到達点。

千羽鶴

近代

川端康成 / 1952

小説5 スポット

鎌倉の茶会を舞台に、父の愛人だった女性と息子の危うい関係を描いた川端の代表作。鎌倉・円覚寺の静謐な茶室が物語の中心となる。

二十四の瞳

近代

壺井栄 / 1952

小説7 スポット

小豆島の分教場に赴任した女教師と十二人の教え子たちの絆を、昭和の激動の時代を背景に描いた感動作。瀬戸内海に浮かぶ小豆島の穏やかな風景が印象的。

潮騒

現代

三島由紀夫 / 1954

小説7 スポット

三重県鳥羽市の神島を舞台に、若い漁師と海女の娘の純愛を描いた青春小説。島の自然と素朴な人々の暮らしが生き生きと描かれている。

金閣寺

現代

三島由紀夫 / 1956

小説2 スポット

美への執着から金閣寺に放火した学僧の内面を描いた三島文学の最高峰。京都・鹿苑寺の黄金の楼閣が主人公の美意識と狂気の象徴となる。

迷路

現代

野上弥生子 / 1956

小説2 スポット

大正から昭和にかけての知識人の苦悩を描いた大河小説。大分県臼杵出身の野上弥生子が、故郷の城下町の記憶を作品に織り込んでいる。

天平の甍

現代

井上靖 / 1957

小説6 スポット

奈良時代、唐から鑑真を日本に招くため渡海した留学僧たちの苦難を描く歴史小説。唐招提寺をはじめ奈良の古寺が物語の到達点。

おはん

現代

宇野千代 / 1957

小説5 スポット

山口県岩国を舞台に、一人の男をめぐる二人の女性の情念と哀しみを描いた名作。錦帯橋のかかる錦川のほとり、岩国の城下町の風情が物語の背景となっている。

笛吹川

現代

深沢七郎 / 1958

小説5 スポット

甲斐国の笛吹川のほとりに暮らす農民一族の数世代にわたる生と死を描いた大河小説。武田信玄の時代から戦国の動乱に翻弄される民衆の姿が、山梨の風土とともに描かれる。

点と線

現代

松本清張 / 1958

小説4 スポット

博多駅のホームで目撃された男女の姿から始まる社会派推理小説の金字塔。時刻表トリックを駆使した緻密な構成で、戦後日本の社会派ミステリーの原点となった。

紀ノ川

現代

有吉佐和子 / 1959

小説6 スポット

紀ノ川流域の旧家の三代の女たちの生き方を描いた大河小説。和歌山の紀ノ川と紀州の風土が、女性たちの強さと美しさの背景となっている。

砂の器

現代

松本清張 / 1961

小説7 スポット

東京の操車場で発見された他殺体の捜査が、東北訛りの手がかりから出雲地方へと展開する社会派推理小説の傑作。宿命と差別の問題を深く描く。

砂の女

現代

安部公房 / 1962

小説5 スポット

昆虫採集に出かけた男が砂丘の穴の底にある一軒家に閉じ込められる不条理小説。砂丘の風景は鳥取砂丘をモデルとし、存在の根源を問う前衛的傑作。

古都

現代

川端康成 / 1962

小説6 スポット

京都の呉服問屋の娘・千重子と、北山杉の里で育った双子の姉妹の物語。祇園祭や時代祭など京都の四季と伝統行事が美しく描かれるノーベル賞受賞作。

燃えよ剣

現代

司馬遼太郎 / 1964

小説1 スポット

新選組副長・土方歳三の生涯を描いた歴史小説の傑作。多摩の百姓の子から京都で剣を振るい、函館で散るまでの波乱の人生が臨場感豊かに描かれる。

秀吉と利休

現代

野上弥生子 / 1964

小説6 スポット

豊臣秀吉と千利休の対立を描いた歴史小説。大分県臼杵出身の野上弥生子が、権力と芸術の相克を重厚に描き出した晩年の力作。

黒部の太陽

現代

木本正次 / 1964

小説4 スポット

黒部ダム建設に挑んだ男たちの壮絶な闘いを描いた記録文学。北アルプスの厳しい自然と人間の意志の力がぶつかり合う一大叙事詩。

功名が辻

現代

司馬遼太郎 / 1965

小説2 スポット

山内一豊とその妻・千代の内助の功を描いた歴史小説。尾張から土佐まで、戦国時代の夫婦の絆と立身出世の物語が各地の城郭とともに展開される。

竜馬がゆく

現代

司馬遼太郎 / 1966

小説4 スポット

幕末の風雲児・坂本龍馬の生涯を描いた国民的歴史小説。土佐から京都、長崎、下関と、龍馬が駆け抜けた日本各地の風景が臨場感豊かに描かれる。

国盗り物語

現代

司馬遼太郎 / 1966

小説5 スポット

油売りから身を起こし美濃一国を手中にした斎藤道三と、その志を継いだ織田信長の生涯を描く歴史長編。岐阜の山城と濃尾平野の風景が壮大に展開される。

黒い雨

現代

井伏鱒二 / 1966

小説5 スポット

広島への原爆投下とその後の被爆者の苦しみを、黒い雨を浴びた姪の日記を通じて静かに描いた反戦小説。福山出身の井伏が広島の悲劇を後世に伝える。

火垂るの墓

現代

野坂昭如 / 1967

小説1 スポット

神戸空襲で母を失った兄妹が防空壕で懸命に生きようとする戦争文学の傑作。神戸・御影から西宮にかけての阪神間が舞台で、アニメ映画でも広く知られる。

故郷忘じがたく候

現代

司馬遼太郎 / 1968

小説4 スポット

薩摩に連行された朝鮮陶工の末裔が、400年を経てなお故郷を忘れず陶芸を守り続ける姿を描いた短編。鹿児島・苗代川(美山)の薩摩焼の里が舞台。

鬼平犯科帳

現代

池波正太郎 / 1968

小説0 スポット

実在の火付盗賊改長官・長谷川平蔵を主人公にした時代小説の大傑作。江戸の両国・深川・日本橋界隈の風情が、人情味豊かな筆致で描かれる。

坂の上の雲

現代

司馬遼太郎 / 1969

小説6 スポット

明治時代の松山出身の三人の青年——秋山好古・真之兄弟と正岡子規——の生涯を通じて近代日本の歩みを描いた歴史長編。松山の風景が随所に登場。

照葉樹林文化

現代

上山春平・中尾佐助 / 1969

随筆4 スポット

日本文化の深層に照葉樹林文化の系譜を見出した画期的な文化論。宮崎の椎葉村をはじめ南九州の照葉樹林帯に息づく焼畑農耕や発酵食品の文化を論じた。

青春の門

現代

五木寛之 / 1970

小説6 スポット

筑豊の炭鉱町で育った青年・伊吹信介の青春と放浪を描いた大河小説。福岡県の筑豊炭田の荒々しい風景と、そこに生きる人々のエネルギーが描かれる。

星と祭

現代

井上靖 / 1972

小説4 スポット

琵琶湖周辺を舞台に、娘を失った父親が湖国の仏像を巡りながら再生していく物語。近江の寺々と琵琶湖の風景が心の旅路と重なる。

剣客商売

現代

池波正太郎 / 1972

小説0 スポット

老剣客・秋山小兵衛と息子・大治郎の活躍を描いた時代小説。江戸の隅田川沿いや上野・浅草界隈の四季折々の風景が物語に彩りを添える。

天璋院篤姫

現代

宮尾登美子 / 1984

小説4 スポット

薩摩藩の分家に生まれ、徳川十三代将軍家定の正室となった篤姫の波乱の生涯を描いた歴史小説。幕末の激動を生き抜いた女性の強さと気品が描かれる。

ノルウェイの森

現代

村上春樹 / 1987

小説3 スポット

1960年代末の東京を舞台に、主人公ワタナベが二人の女性との間で揺れ動く恋愛と喪失の物語。新宿・四ツ谷・早稲田周辺が主な舞台。

たそがれ清兵衛

現代

藤沢周平 / 1988

小説4 スポット

庄内藩の下級武士・井口清兵衛の質素ながら誠実な生き方を描いた時代小説。藤沢周平の故郷・鶴岡と庄内地方の風景が作品に深く息づいている。

蓮如

現代

五木寛之 / 1994

小説3 スポット

浄土真宗中興の祖・蓮如の波乱に満ちた生涯を描いた歴史長編。北陸・吉崎御坊を拠点に布教に生きた蓮如と越前の風土が壮大に描かれる。

本陣殺人事件

現代

横溝正史 / 1946

小説10 スポット

岡山の旧家で起きた密室殺人事件を名探偵・金田一耕助が解き明かす本格推理小説。横溝正史が疎開した岡山の農村風景がミステリーの舞台となっている。

長崎ぶらぶら節

現代

なかにし礼 / 1999

小説6 スポット

明治から昭和にかけての長崎の花街を舞台に、芸者・愛八と学者・古賀十二郎の交流を描いた歴史小説。丸山遊廓や出島など長崎の異国情緒が色濃く描かれる。

世界の中心で、愛をさけぶ

現代

片山恭一 / 2001

小説3 スポット

白血病で亡くなった恋人との純愛を描いた大ベストセラー。映画版のロケ地・香川県庵治町や愛媛県宇和島市が聖地として知られる。

博士の愛した数式

現代

小川洋子 / 2003

小説1 スポット

80分しか記憶が持たない数学博士と家政婦親子の心温まる交流を描いた名作。阪神タイガースと甲子園球場が物語の重要なモチーフとなっている。

眉山

現代

さだまさし / 2004

小説10 スポット

徳島市のシンボル・眉山を背景に、母と娘の絆と阿波踊りの夜を描いた感動作。吉野川流域の風景と阿波の伝統文化が物語を彩る。

夜のピクニック

現代

恩田陸 / 2004

小説3 スポット

高校最後の行事「歩行祭」で80キロを歩き通す一夜を描いた青春小説。茨城県の水戸周辺の風景の中、歩きながら交わされる対話が青春の輝きを映し出す。

半沢直樹シリーズ

現代

池井戸潤 / 2004

小説5 スポット

「やられたらやり返す、倍返しだ!」で社会現象となった銀行小説。大阪・中之島のメガバンク支店を舞台に、不正と戦うバンカーの痛快な逆転劇が描かれる。

永遠の0

現代

百田尚樹 / 2006

小説2 スポット

太平洋戦争で特攻隊員として散った祖父の真実を孫が追う感動作。鹿児島の知覧特攻平和会館をはじめ、各地の戦争遺跡が物語の舞台となる。

夜は短し歩けよ乙女

現代

森見登美彦 / 2006

小説2 スポット

京都の夜を舞台にした奇想天外な恋愛ファンタジー。木屋町・先斗町の飲み屋街や下鴨神社の古本市、京大周辺が幻想的に描かれる。

有頂天家族

現代

森見登美彦 / 2007

小説1 スポット

京都を舞台に、狸の名門・下鴨家の兄弟が天狗や人間と織りなす騒動を描いたファンタジー。下鴨神社の糺の森や出町柳が物語の中心地。

テンペスト

現代

池上永一 / 2008

小説7 スポット

琉球王国末期、男装して科挙に挑む聡明な女性・真鶴の波乱に満ちた生涯を描いた歴史ロマン。首里城を中心とした琉球の文化と風景が壮大に展開される。

告白

現代

湊かなえ / 2008

小説0 スポット

娘を殺された女性教師の衝撃的な告白から始まるイヤミス(嫌な気持ちになるミステリー)の傑作。大阪の中学校を舞台に、複数の視点から事件の真相が明かされる。

阪急電車

現代

有川浩 / 2008

小説2 スポット

阪急今津線の各駅を舞台に、乗客たちの人生が交差する連作短編集。宝塚から西宮北口まで、電車の中で生まれる小さな奇跡と人間模様が温かく描かれる。

おくりびと

現代

小山薫堂 / 2008

小説3 スポット

チェロ奏者から納棺師に転身した主人公の成長を描いた物語。山形県庄内地方の四季折々の風景と、死を通じて生を見つめ直す感動作。

天地明察

現代

冲方丁 / 2009

小説0 スポット

江戸時代の天文学者・渋川春海が日本独自の暦を完成させるまでの奮闘を描いた歴史小説。渋谷の金王八幡宮や各地の天文観測地が舞台。

下町ロケット

現代

池井戸潤 / 2010

小説0 スポット

大田区の町工場がロケットエンジンのバルブシステム開発に挑む直木賞受賞作。東京・大田区の下町工場街が「ものづくり」の誇りとともに描かれる。

舟を編む

現代

三浦しをん / 2011

小説0 スポット

辞書編集部の青年が新しい辞書づくりに情熱を注ぐ物語。神楽坂周辺の出版社街が舞台で、言葉への愛と辞書編纂の地道な作業が丁寧に描かれる。

ビブリア古書堂の事件手帖

現代

三上延 / 2011

小説3 スポット

北鎌倉の古書店を舞台にしたビブリオミステリー。古書にまつわる謎を美しき店主が解き明かす。北鎌倉駅周辺の古都の風情が物語の背景となる。

海賊とよばれた男

現代

百田尚樹 / 2012

小説1 スポット

出光興産の創業者・出光佐三をモデルに、日本の石油産業の礎を築いた男の生涯を描いた歴史小説。神戸港や門司港が物語の重要な舞台となる。

鹿の王

現代

上橋菜穂子 / 2014

小説1 スポット

謎の疫病に立ち向かう戦士と医術師の物語。奈良の鹿と自然がインスピレーションの源で、本屋大賞受賞作。古都奈良の風景が作品世界の原風景にある。

ぼくは明日、昨日のきみとデートする

現代

七月隆文 / 2014

小説0 スポット

京都を舞台にした切ないタイムパラドックス恋愛小説。叡山電鉄や鴨川沿いの風景が、二人の不思議な恋の舞台として美しく描かれる。

蜜蜂と遠雷

現代

恩田陸 / 2016

小説1 スポット

国際ピアノコンクールに挑む四人の若き才能を描いた直木賞・本屋大賞W受賞作。浜松のアクトシティがコンクール会場のモデルとなっている。

コンビニ人間

現代

村田沙耶香 / 2016

小説0 スポット

コンビニのアルバイトに生きがいを見出す女性の物語。芥川賞受賞作で、現代社会の「普通」とは何かを問いかける。東京の日常風景が舞台。

かがみの孤城

現代

辻村深月 / 2017

小説0 スポット

不登校の中学生たちが鏡の中の城に集められるファンタジー。本屋大賞受賞作で、東京都府中市周辺が舞台のモデルとされている。

国宝

現代

吉田修一 / 2018

小説5 スポット

長崎のヤクザの息子が歌舞伎の世界で「国宝」と呼ばれるまでの壮絶な人生を描いた大作。長崎の中華街やグラバー園が物語の出発点となる。

流浪の月

現代

凪良ゆう / 2019

小説0 スポット

世間の「常識」に縛られた二人の男女の関係を描いた本屋大賞受賞作。井の頭公園や吉祥寺周辺の風景が、主人公たちの再会の舞台となる。

汝、星のごとく

現代

凪良ゆう / 2022

小説2 スポット

瀬戸内海の島で出会った男女の、17年にわたる愛と人生を描いた本屋大賞受賞作。広島県因島の穏やかな風景と都会の対比が物語の軸となる。

成瀬は天下を取りにいく

現代

宮島未奈 / 2023

小説3 スポット

滋賀県大津市膳所を舞台に、我が道を行く少女・成瀬あかりの痛快な青春物語。本屋大賞受賞作で、琵琶湖畔の日常風景が生き生きと描かれる。

ひめゆりの塔

現代

石野径一郎 / 1949

小説3 スポット

沖縄戦で看護要員として動員され犠牲となったひめゆり学徒隊の悲劇を描いた戦争文学。糸満市のひめゆりの塔が慰霊の場として知られる。

檸檬

近代

梶井基次郎 / 1925

小説2 スポット

憂鬱な青年が京都の街を彷徨い、丸善の書棚に檸檬を置いて立ち去る幻想的な短編。寺町通りや丸善京都本店が舞台となった近代文学の珠玉。

五重塔

近代

幸田露伴 / 1892

小説2 スポット

谷中感応寺の五重塔建立をめぐる大工たちの意地と執念を描いた擬古典的名作。職人の魂と芸術への情熱が格調高い文体で綴られる。

或る女

近代

有島武郎 / 1919

小説1 スポット

横浜港からアメリカへ渡る船上で始まる、奔放な女性・葉子の情熱と破滅を描いた大作。横浜港が物語の重要な出発点となる。

海辺のカフカ

現代

村上春樹 / 2002

小説1 スポット

15歳の少年カフカが家出して四国の図書館に辿り着く物語。高松市の甲村記念図書館(架空)のモデルとされる場所が香川県に存在する。

キッチン

現代

吉本ばなな / 1988

小説1 スポット

祖母を亡くした少女みかげが、友人の家のキッチンに救いを見出す物語。下北沢周辺の東京の日常風景が温かく描かれる。

センセイの鞄

現代

川上弘美 / 2001

小説1 スポット

居酒屋で再会した元教師と教え子の淡い恋を描いた谷崎潤一郎賞受賞作。吉祥寺の居酒屋や井の頭公園周辺の風景が物語を彩る。

模倣犯

現代

宮部みゆき / 2001

小説1 スポット

隅田川沿いの公園で発見された遺体から始まる連続殺人事件。大川端の下町風景が、犯罪と市井の人々の暮らしの対比を際立たせる。

容疑者Xの献身

現代

東野圭吾 / 2005

小説2 スポット

天才数学者が隣人の母娘を守るため完全犯罪を企てるミステリー。隅田川・新大橋周辺と帝都大学(東京工業大学がモデル)が主な舞台。

病牀六尺

近代

正岡子規 / 1902

随筆2 スポット

脊椎カリエスで病床に伏した子規が、六尺の病床から綴った随筆集。根岸の子規庵から見える庭の風景が、写生文の極致として描かれる。

草木塔

近代

種田山頭火 / 1940

詩歌2 スポット

自由律俳句の代表的俳人・山頭火の句集。「分け入つても分け入つても青い山」など、放浪の旅から生まれた句が収められている。