紀貫之 / 935年
土佐国司の任を終えた紀貫之が土佐から京都へ帰る旅を、女性に仮託して仮名文字で綴った日記文学の嚆矢。土佐の海や港の風景が旅情豊かに描かれる。
男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり。
二十一日、船出す。よき風吹きて、行く先多し。
二十一日。卯の刻に出でて、海路を行く。風波のなかに心細し。