井上靖 / 1972年
琵琶湖周辺を舞台に、娘を失った父親が湖国の仏像を巡りながら再生していく物語。近江の寺々と琵琶湖の風景が心の旅路と重なる。
仏の微笑みの中に、失われたものへの慰めがあった。
湖の水面に星が映り、祭の灯りが遠くに揺れていた。
湖のほとりに立つと、時が止まったように思えた。
湖面は鏡のように静かで、空と水の境がわからなかった。