島崎藤村 / 1897年
「まだあげ初めし前髪の」で始まる「初恋」など、青春の情熱を謳った近代詩の金字塔。小諸義塾の教師時代に信州の自然に触発されて生まれた抒情詩集。
まだあげ初めし前髪の林檎のもとに見えしとき前にさしたる花櫛の花ある君と思ひけり
深山の杉の間を縫ふ風に、悟りの声を聞く心地す。
断崖に砕ける波の音は、心の奥底まで響いてくる。