詩歌・エッセイ
正岡子規、石川啄木、与謝野晶子等
若菜集
島崎藤村 / 1897年
「まだあげ初めし前髪の」で始まる「初恋」など、青春の情熱を謳った近代詩の金字塔。小諸義塾の教師時代に信州の自然に触発されて生まれた抒情詩集。
武蔵野
国木田独歩 / 1898年
東京西郊の武蔵野の雑木林と田園風景を美しく描いた随筆。渋谷から府中にかけての武蔵野台地の自然を詩的に捉え、日本の近代散文に新境地を開いた。
荒城の月
土井晩翠 / 1898年
「春高楼の花の宴」で始まる滝廉太郎作曲の名歌の作詞者・土井晩翠の代表作。仙台・青葉城と会津若松・鶴ヶ城の栄枯盛衰を詠み、明治の美意識を伝える。
みだれ髪
与謝野晶子 / 1901年
明治の歌人・与謝野晶子の処女歌集。大胆な恋愛感情を詠んだ情熱的な短歌で文壇に衝撃を与えた。晶子の故郷・堺の町並みがその感性を育んだ。
五足の靴
与謝野鉄幹・北原白秋ほか / 1907年
与謝野鉄幹、北原白秋、木下杢太郎、平野万里、吉井勇の五人が九州を旅した紀行文。天草のキリシタン遺跡や不知火海の風景が詩人たちの感性で描かれる。
一握の砂
石川啄木 / 1910年
「ふるさとの訛なつかし停車場の人ごみの中にそを聴きにゆく」など、望郷と青春の哀歓を三行書きの短歌で詠んだ啄木の代表歌集。故郷・渋民の風景が原点。
城の崎にて
志賀直哉 / 1917年
電車事故で負傷した著者が城崎温泉で療養中に、蜂・鼠・蠑螈の死を見つめ生と死の境を思索する短編。城崎の静かな温泉街と自然が作品世界に溶け込んでいる。
金子みすゞ詩集
金子みすゞ / 1930年
「みんなちがって、みんないい」で知られる夭折の童謡詩人。下関・仙崎の海と自然を背景に、やさしさと哀しみが同居する珠玉の詩を遺した。
照葉樹林文化
上山春平・中尾佐助 / 1969年
日本文化の深層に照葉樹林文化の系譜を見出した画期的な文化論。宮崎の椎葉村をはじめ南九州の照葉樹林帯に息づく焼畑農耕や発酵食品の文化を論じた。
病牀六尺
正岡子規 / 1902年
脊椎カリエスで病床に伏した子規が、六尺の病床から綴った随筆集。根岸の子規庵から見える庭の風景が、写生文の極致として描かれる。
草木塔
種田山頭火 / 1940年
自由律俳句の代表的俳人・山頭火の句集。「分け入つても分け入つても青い山」など、放浪の旅から生まれた句が収められている。
窓ぎわのトットちゃん
黒柳徹子 / 1981年
黒柳徹子の自伝的作品。自由が丘のトモエ学園での体験を描いた児童文学の世界的ベストセラー。小林宗作先生の教育理念と子どもたちの日常が温かく描かれる。
日本奥地紀行
イザベラ・バード / 1880年
英国人女性旅行家イザベラ・バードが明治初期の日本の奥地を旅した紀行文。日光から東北を経て北海道に至る旅路で、近代化以前の日本の風景と人々の暮らしを克明に記録。
美しき日本の残像
アレックス・カー / 1993年
米国人東洋文化研究者アレックス・カーが、徳島県祖谷渓での生活体験を軸に日本の美と伝統文化の消失を論じた名著。新潮学芸賞受賞。外国人による日本文化論の白眉。